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耳の違和感

コロナ感染症の収束が見えず、一人一人の行動変容が求められています。緊張や不安から耳の詰まり感や、音がこもって聞こえにくい。自分の呼吸音が聞こえて煩わしいといった耳の違和感を訴える患者さんが増えています。

 ☆耳管解放症

中耳と鼻の奥は耳管と呼ばれる管でつながれています。通常、この管は閉じていますが、あくびや飲み込むときに開き、中耳が換気され外界と圧が平衡になります。この調節機能が働かず、耳管がうまく開かなかったり、常に閉じたままの状態になると上記のような症状が現れます。鼻炎や風邪症状の後に発症することが多いですが、慢性化して症状を繰り返す方も多いです。

 ☆治療法

西医では耳管が狭窄している場合、中耳の貯留液を取り除くために耳管通気法を行いますが、頻回の処置はかえって炎症を引き起こします。耳管が開いたままの場合、精神安定剤の投与で様子を見たり、漢方薬が処方されます。効果が無ければ耳管開口部に薬液を噴霧して炎症を起こし、狭窄させる保存的治療が一般的ですが、効果が無ければ外科的処置を行います。

 ☆鍼灸治療では

緊張やストレスが原因で気滞を起こしている場合は、手の甲にある中渚、足の甲にある太衝、耳の周囲の蘙風、聴会に針をして気の流れを整えます。水腫が原因の場合は足三里、陰陵泉に灸頭針をして利水作用を高めます。寝不足や過労、老化による機能低下の場合は背中の督脈に沿って温灸をかけ、頭の百会に針をして、耳の周囲に温灸をかけて機能回復を図ります。放置していると治りにくくなるので、早めの治療をお勧めします。耳管解放症や耳の違和感は鍼灸治療が奏功する疾患と考えています。

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