めまいの鍼灸治療
今年の春は寒暖の差が激しく、自律神経のバランスを崩してめまい、ふらつきを訴える患者さんが多いです。
☆強いめまい
周囲が回転したり揺れ動いて、起き上がれない、吐き気や耳鳴りを伴うめまいはメニエル病と診断されることが多いです。中医学では、体質に過労やストレスが加わって形成される「見えない痰」が原因と考えています。
強いめまいにはストレスや怒りからいわゆる「頭に血が上る」ことで、自律神経の興奮により,代謝の亢進や脳の充血という「火」が生じて、脳の興奮、内耳の平衡失調などによるめまい、頭痛という「風」の症状が引き起こされます。鍼灸治療の場合、「痰」「火」「風」の実邪を取り除き、清気を頭部に巡らせる治療を行います。
☆めまい感、ふらつき
動作時にクラッとしたり、頭がボーッとして目がくらみ倒れそうな気がする場合は、頭部の循環障害や十分に栄養されていないために起こる「清陽不昇」と考えています。先天的に虚弱だったり、慢性病、老化や過労により気血が不足して、頭部が空虚になってめまいが生じる病態です。立ち眩みや動作時のふらつきが主体で、寝不足や疲労時に顕著になり、疲れやすい、元気がない、食欲不振などを伴います。
虚証のめまいは「気」「血」「精」を補い、頭部を栄養する治療を行います。
最近はストレスや緊張から首が凝り、それに伴うめまいが多いと感じています。さらに耳の違和感を感じてからめまいを起こす患者さんが多いです。耳の違和感を感じたら早めの鍼灸治療お勧めします。また、高齢者の場合、加齢に伴い腎精や気血が不足しています。