秋バテの鍼灸治療
今年は連日猛暑が続きましたが、9月になって朝晩はしのぎやすくなり、虫の音に秋の気配を感じています。涼しくなったのに熟睡できない、食欲がない、疲れが取れないといった秋バテを訴える患者さんが増えています。
☆夏の疲れを持ち越さない
一日中空調の効いた室内で過ごしていると、体温調節機能が衰えています。自律神経の乱れから足腰が冷えたり、肩こりや頭痛、ふらつきが続きます。疲れているのに熟睡できず、朝になってもすっきり起きられない。また、冷たいものの取り過ぎから内臓の代謝機能が低下して、食欲不振を招きます。一方で発汗過多による脱水、ビタミンやミネラルの不足を招き、いつまでも疲れが取れない状態が続きます。
☆夏の疲れをリセット
乱れた自律神経を整えるにはシャワーで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かり発汗を促します。また、適度な運動で気血の循環を促しましょう。食欲がないからと言って食べやすい冷奴やそうめんばかり食べていると、内臓の代謝機能は改善せず悪循環となります。薬味に生姜を入れたり、暖かい食事で冷えた内臓の働きを改善しましょう。旬の食べ物にはその季節の症状を改善する働きがあります。梨には失った水分を補い、ほてりをとる作用があります。
サプリでビタミンやミネラルを補うのではなく、季節の野菜や果物で補いましょう。
☆鍼灸治療では
季節の変わり目は身体の不調が出やすい時です。秋は陽の季節から陰の季節に移行するため、自律神経が乱れやすい時期。陽から陰にスムーズに移行するために督脈と任脈を治療して陰陽の調和を図ります。冷たいものの取り過ぎと夏に多い湿邪で弱った内臓には、背中に針と温灸、足三里と陰陵泉に灸頭針、おへそに塩灸を多用して、失った気を補い、たまった湿邪を追い出します。夏の疲れを持ち越さずさわやかな季節をお迎えください。