パニック障害、不安神経
パニック発作とは急性の強い不安の発作を繰り返す症状が特徴で、突然の激しい動悸、胸苦しさ、めまいなどを伴う強い不安に襲われ、出社できなくなったり、投稿できなくなります。
再発の不安から一人で外出できなくなり、乗り物に乗れないといった症状です。
☆原因
原因は不明ですが、心理的要因よりも脳内アドレナリンの過活動、あるいはセロトニン系の機能不全など脳機能異常説が有力です。
パニック障害の患者さんは炭酸ガスやカフェインに過敏で、発作が誘発されることが分かっています。過労、睡眠不足、ストレスなども発作の引き金になることが知られています。
症状が軽く一過性に収まってしまうこともありますが、発作を繰り返すうち一人で外出できなくなり、家族に付き添われて来院されます。
検査しても異常が見つからず、医師からなんとも無いといわれ、病院を転々として検査を繰り返すうち慢性化して、うつ病を伴うことが多く注意が必要です。
☆鍼灸治療
日大医学部 酒谷 薫教授と私が所属する関西中医鍼灸研究会の 藤井 正道先生の共同研究で、近赤外線分光器(NIRS)を用いて脳の血流を測定して、鍼灸治療でストレス状態の脳の血流改善を測定しています。今までは患者さんの主観による治療効果の判定を、計測装置を用いて客観的に測定することができるようになりました。
パニック発作は経絡の気の滞りから、逆気と言って気の流れが逆流したときに激しい動悸や強い不安に襲われると考えています。中国では奔豚気(ホントンキ)と言って、胸で子豚が踊っていると表現され、奇経を使った治療が行われています。
現代日本では働きすぎによる気虚、食生活の変化から痰湿が気血の循環を妨げていると考え、関西中医鍼灸研究会ではパニック障害やうつ病の治療に、督脈通陽法と奇経を組み合わせた治療を提唱しています。