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身体表現性障害の鍼灸治療


原因が分からず、診断がつかない。どこで診てもらっても、何をしても治らない痛みは「心」が関係している可能性があることが長年の研究で分かってきました。

福島県立医科大学 大谷晃司教授によると「一つはストレスによって痛みをコントロールする脳のメカニズムがうまく働かなくなっている場合です。実際より痛く感じたり、痛みの元は消えているのに、まだ痛いと神経回路が錯覚したりします。

もう一つはストレスが身体の痛みとして出る場合。仮病ではなく、本人は本当に痛いと感じています。この状態を『身体表現性障害』といいます。

 ☆身体表現性障害

30歳代以前の若いころに発症することが多、男性に比べて女性に圧倒的に多いといわれています。痛む場所は様々で、頭、首肩、腰、お腹、手足などです。機能的な痛みとしては月経時、性交時、排尿時などです。また、神経症状として、ふらつき、脱力、麻痺、しびれ、咽喉のつまり、声が出にくいなどです。

もともと身体感覚に敏感で悲観的にとらえやすい繊細な人がなりやすいほか、心身の過労や身辺の環境変化がストレスになっていることを認識しにくく、言語化できない人の場合に身体症状として表れることがあるといわれています。

 ☆治療法

西医では抗うつ薬や抗不安薬が処方されることが多く、認知行動療法が推奨されています。

中医鍼灸の立場から患者さんを診ていると、気滞(気の詰まり)が原因で、少陽経や太陽経の痰湿による詰まりが見受けられます。鍼灸治療ではうつや不安神経の治療と同じように、気血を補い、陰陽のバランスを整え、気の循環を促して痛みをとっていきます。

痛いからとじっとしているのではなく、動けるなら動く。しんどいからと横になるのではなく、動けるなら朝から起きて動く。これによって乱れた脳のメカニズムが正常に整う可能性があります。筋肉がほぐれて気血の巡りが良くな


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