コロナ後遺症の鍼灸治療Ⅲ

☆味覚、嗅覚障害

コロナ後遺症の味覚、嗅覚障害の多くは時間の経過とともに改善すると考えられていますが、中には長期にわたって症状が続く場合もあります。西医ではこれらに対する治療法は確立されていませんが、鍼灸治療では嗅覚障害の場合、弱った肺の働きを良くして、頭部、顔面部手首のツボに針をして、鼻を通る気の流れを整えて嗅覚の改善を図ります。味覚障害は多くの場合、服薬で弱った体調の働きを改善すれば、自然に治っていきます。

我々関西中医針灸研究会ではコロナ後遺症にも『督脈通陽法』を推奨しています。これは背部の治療の際に背骨に沿って温灸を並べ、陽気(元気)の源である督脈の流れを整えて自然治癒力を高めて、各種症状の治療と組み合わせることで治療効果が高まると考えているからです。

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